明治維新以前から港町として栄え、現在も北海道第三の都市として観光、商業の中心地として君臨している「函館市」

函館市は、幕末の名残を感じられる史跡や明治~大正時代に建築された建物が多いレトロな街並みが特徴。

歴史ファンだけでなく、多くの人々の興味を惹きつける北海道内屈指の観光都市です。

かくいう筆者も、中学校の修学旅行で初めて函館を訪れて以来、お気に入りの観光地のひとつとして幾度も通う函館Lover。

この記事では、実際の函館旅行で訪れてよかったおすすめスポットをご紹介しますね♪

まずは観光スポットを地図で確認!

函館ビギナー向け!路面電車でめぐる定番観光スポット

まずは、函館を初めて訪れる方向けの定番スポットから!

函館市内の観光要所をめぐるなら、路面電車(市電)の利用がおすすめです。

「市電1日乗車券」「市電24時間乗車券」など、市電社内や販売店、専用のスマートフォンアプリで購入できるお得な乗り放題きっぷも販売されているので活用しましょう。

市電の路線は「十字街」の先で行先が二手に分かれています。

乗り間違いには気を付けてくださいね!

また、観光スポットを巡りながら個人的に楽しんでいたのは、路面電車の車体に描かれた「広告」のデザインを比べること。

写真を撮ろうとして好みの絵になるデザインの車体が写り込むと、嬉しくなって思わずテンションが上がります。

1-1.函館山展望台

函館を代表する観光スポットと言われてまず頭に浮かぶのは、やはり「函館山」ではないでしょうか?

函館山の山頂から津軽海峡や函館の街を眺める抜群のローケーションが人気!

この夜景は、かつて「日本3大夜景」にも選出されています。

市電の最寄り駅は「十字街」停。

ロープウェイの山麓駅までは少し距離があるのですが、上り坂の道を歩いて山麓駅へ向かいましょう。

函館山は、自家用車やレンタカーで函館山を登ることも可能。

繁忙期の夜間は自家用車での展望台への入場が規制されていることがあるので、車で山を登る場合は事前に函館市の公式サイトなどで確認しましょう。

夜間の入場規制がかかっていても、ロープウェイを使って山頂へ行くことが可能です!

 

函館市は北海道の南西に飛び出した渡島半島の端にあります。

しかし、函館山から見える景色は、この半島の「くびれ」部分だと誤認されていることも…。

実際は「函館山の山頂から函館市街を見下ろした景色」というのが正解

山頂の展望台から景色を眺めた時に目立つ「くびれ」の部分は、実は2kmほどの狭い距離なんですよ!

1-2.五稜郭タワー

対照的な星型を描いた五稜郭を一望できる「五稜郭タワー」。

全長107mの高さから函館市やその周辺地域を360°のパノラマで眺めることができるロケーションスポットです。

市電の最寄り駅は「五稜郭公園前」停。

2006年に旧タワーが解体されたのち、隣接する敷地に建てられた現在のタワーがオープンしました。

「五稜郭」という名称はヨーロッパ式城郭を真似て「五稜星形」の平面形状をしていることからの通称。

また、当時の築造場所の地名に由来して、別名「柳野城」と呼ばれることもあります。

タワーから臨める五稜郭は、春の桜の時期はピンクに、夏は木々の緑に、秋の紅葉シーズンは橙に、冬は雪が積もって白色に変化!

四季それぞれ違った景色を楽しめることも、この五稜郭タワーの魅力なのではないでしょうか。

また、明治維新後の「箱館戦争(戊辰戦争のひとつ)」の舞台となったことでも有名な五稜郭。

五稜郭タワー内には、この戦争に関わった「新選組」にまつわる展示や関連する土産物が多数並んでいます。

写真にある、色あざやかなブルーが特徴の「新選組ソフトクリーム(330円・税込)」は、展望1階の売店で販売されています。フレーバーはさわやかなラムネ味。

エントランスフロア奥の展示スペースと展望2階には「土方歳三」の像が飾られています。

一緒に写真を撮ろうと順番待ちの列ができるほどの人気ですよ!

1-3.金森赤レンガ倉庫

通称「ベイエリア」と呼ばれる海沿いの地区に並ぶ赤レンガ倉庫群。

市電の最寄り駅は「十字街」停ですよ!

現在は雑貨店や飲食店などが入居するショッピング施設として営業しています。

この倉庫群は、1869年(明治2年)に洋物店を営む渡邉熊四郎が創業。

その後、船舶からの荷物を預かる倉庫業を経て現在の施設へ。

1世紀半以上の歴史あるレンガの倉庫は、函館市民にも観光客にも愛される、函館随一の観光&商業スポットとなりました。

横一列に並ぶ倉庫群の奥には函館山が見えます。

夜になると倉庫がライトアップされ、昼間とはまた違ったノスタルジックな雰囲気に。

周辺には遅い時間までやっている飲食店が多いのがこのエリアの特徴。

夜の街歩きやディナーにもちょうどいい、おしゃれな夜遊びを楽しむことができるエリアです。

1-4.函館朝市

函館のグルメスポットとして一番有名なのは、やはり「函館朝市」でしょう。

市電の最寄り駅は「函館駅前」停ですが、「市役所前」停からも徒歩で行くことができます。

とれたての新鮮な海産物が並ぶ市場で食べる朝ごはんは格別で、市内で宿泊するならぜひとも立ち寄りたいエリア。

JR函館駅から徒歩圏内の場所にあるので、朝市を目当てに函館を訪れるのであれば、函館駅周辺の宿を選ぶと良いでしょう。

また、冬季間はお休みしているお店もいくつかあるので、シーズンによっては事前に目当てのお店の開店状況をチェックしてくださいね!

市場内の路地の一部は歩行者天国となっており、車両の進入や路上駐車はできません。

近隣に有料駐車場があるので、車で訪れる際はそちらを利用しましょうね!

市場内にはたくさんのお店があり迷ってしまいますが、初回は各店で少しずつ気になるものをいただく食べ歩きスタイルがおすすめ。

海鮮丼のようなしっかりめのものだけでなく、刺身やイカソーメン、焼き魚など、好きな海の幸を単品で楽しむことができるお店が多いので安心です。

もちろん、1店舗決め打ちでたっぷりと満喫するのも◎

お気に入りのお店が見つかれば、おのずとそこへ通うようになりますからね!

1-5.基坂

函館市内には、冬季にイルミネーションを楽しめる「二十間坂」や映画やCMのロケ地として知られている「八幡坂」など、観光名所として有名な坂が複数あります。

中でも代表的な坂は、市電「末広町」停の近くにある、石畳が敷き詰められ整備された「基坂」

明治時代に里数を測る基点となる「里程元標」が立ったことからこの名前がつけられました。

歩道の脇には花壇や並木が設けられています。

また坂の途中には、「明治天皇御上陸記念碑」や「ペリー提督来航記念碑」などの記念碑、歴史的建造物として保管されている「旧イギリス領事館」が。

坂を登り切った正面には「元町公園」があり、公園内には「函館奉行所跡」「旧北海道庁函館支庁庁舎」などがあります。

「基坂」の頂上、函館公園の入口から坂下を見下ろす風景は圧巻の美しさ

突き当りに見えるのは「海上自衛隊函館基地」。

公園側を振り返ると、公園の先の高台には「旧函館区公会堂」のブルーグレーとイエローの外観がのぞいています。

こちらもチェック!穴場の絶景を見に行こう

函館市内に宿泊して観光できるなら、メインの観光地から少し離れた場所へ足を延ばしてみませんか?

ここで紹介するスポットは市電を利用しても行くことができますが、いずれも市電停から少し距離があります。

自家用車やレンタカーを利用できる場合は細かい移動が楽になるので、興味があればぜひ行ってみましょう。

2-1.湯の川温泉

函館市の東側、函館空港に近い温泉街「湯の川温泉」

市電の最寄り駅は「湯の川」停と「湯の川温泉」停で、利用する施設の場所によって最寄り駅が異なります。

海沿いに建つ宿泊施設は、市電駅から少し離れた場所に建っているものも。

荷物が多い場合は、目的地への距離と相談してタクシーを利用する方が良いかもしれません。

湯の川温泉エリアには、津軽海峡を臨む海岸沿いに多くの温泉宿泊施設が軒を連ねています。

展望大浴場やロケーションの良い客室露天風呂をウリにしている宿がたくさんありますよ!

写真の「平成館 しおさい亭」も、温泉に浸かりながら津軽海峡の景色をパノラマで堪能することができる人気宿のひとつ。

また、湯の川温泉の歴史は江戸時代(1653年・承応2年)までさかのぼります。

後に松前藩主となる「千勝丸」が難病にかかり、松前の東にある温泉で湯治をした事柄が発祥となっているようですよ!

「湯の川温泉」は函館の中心地から大きく東側へ離れているので、観光スポットが集まる元町エリアや函館山のある半島部分を海の向こうに眺めることができます。

上の写真は、前述した「平成館 しおさい亭」のテラスから撮影したもの。

奥に見える陸地の少し飛び出した部分が函館山ですよ!

函館山展望台がある部分は市街地側のごく一部分であり、実は裏手の海側にも高台が続いていることがこの写真からよくわかります。

夜の時間帯には、函館港を出発した漁船の漁火を客室から眺めることができました。

温泉施設によっては日帰り入浴を実施しているところもあるので、街歩きの疲れを癒しに温泉で休憩し入浴していくのも良いでしょう。

2-2.立待岬

市電駅「谷地頭」停の先にある「立待岬」は、函館山の南東に突き出た位置にあります。

海抜およそ30mの断崖から津軽海峡のパノラマで一望できるロケーションスポット。

「立待岬」という名前の由来は諸説ありますが、アイヌ語で「岩の上で魚を待ち伏せしてヤスで獲る場所」という意味の「ピウス」を意訳したという説がメジャーなようです。

市電と徒歩で向かうのは少し大変な場所なので、車で向かうのがおすすめ。

徒歩で向かう場合は、市電を下車後、草木が生い茂る道を20分ほど歩いて岬のある広場へ向かいます。

私たちが訪れた時も、観光に来た人たちはみなさんタクシーを利用して見学していました。

ちなみに、函館市内のタクシードライバーの方々は日頃から「観光タクシー」として稼働していることもあり、函館のローカルなおすすめスポットをたくさん知っています。

タクシーを利用する際は、ドライバーの方々に函館観光のおすすめをいろいろ聞いてみると良いでしょう。

岬の手前のほうには与謝野寛・晶子夫妻の歌碑が建てられており、広場の一角は「はまなす公園」として整備されています。

一番人気のフォトスポットは、「立待岬」と大きく書かれた石碑と並んで津軽海峡とともに写真を撮ることができるこの場所。

この日も多くの観光客がここで写真を撮影し、順番待ちの列ができていました。

個人的には、パノラマの津軽海峡を眺めることができる「岬の端にぽつんと設置されたベンチ」がおすすめです。

撮影する角度によって、海に浮かんだベンチに腰かけているかのような面白い写真を撮ることができますよ。

2-3.緑の島

「緑の島」は、市電「大町」停の近くにある広さおよそ8haの人工島です。

1980年の建設開始以降、敷地内には遊歩道や芝生グラウンドなどが整備。

現在では絶好の「釣りスポット」としても市民に人気の場所に!

函館市出身のアーティスト「GLAY」が野外ライブやPV撮影をした場所としても有名ですね!

敷地内からは函館山を臨めるほか、「函館どっく」周辺の風景を海側から眺める面白いロケーションを楽しむことができます。

「緑の島」への入場は朝9時から。

また、季節によって閉園時間が変更となります。

訪れる前に、必ず函館市の公式サイトで閉園時間を確認してくださいね!

この日は天気が悪く曇っていたため、海の色が灰色となり「絶好のロケーション」とはならず残念…。

しかし、ベイエリアや函館どっくを海側から眺める景色はとても面白く、陸に立って写真を撮る時よりも面白い写真をたくさん撮ることができました。

郊外の飲食や買い物を楽しめる注目スポット

函館市街から離れた場所にも、気になる観光スポットがたくさんあるのが函館市!

公共交通機関や徒歩で行くのはちょっぴり大変だけど、余力があるなら訪れたいおすすめスポットもご紹介します。

3-1.ティーショップ夕日

「函館外国人墓地」傍の海沿いに佇む「ティーショップ夕日」。

このお店は、その名前の通り、綺麗な夕日を眺めることができる人気のカフェです。

店内では厳選されたおいしい日本茶をメインに、早い日は午前中で売り切れてしまうという人気の「和スイーツ」を楽しむことができます。

また、ピンク色の外観が特徴のレトロな建物は1885年(明治18年)築。

「旧函館検疫所」の建物をそのまま使用しています。

歴史的建造物の中で過ごすティータイムは、時間がゆったりと流れる至福の時間となることでしょう。

大人数用のテーブル席を除いたカウンター席は全て、津軽海峡を臨める海沿いに開けた窓側に配置されています。

入店して席に着くとまず、お猪口サイズの湯飲みでお茶が運ばれてくるので、このお茶を飲みながらじっくりとオーダーを決めましょう。

お店の閉店は「日没まで」とされているので、訪問する日の営業時間を事前に確認しておくことをおすすめします。

3-2.函館蔦屋書店

2013年12月に函館市石川町にオープンした「函館 蔦屋書店」

従来の書籍販売とレンタル業を主とした「TSUTAYA」とは違う「複合商業施設」として営業する同店。

函館市民だけでなく観光客も多く足を運ぶ話題のスポットです。

函館市街から函館IC向かう途中の国道5号線(函館新道)沿いに見えるスタイリッシュな外観が目印!

しかし、函館市街地からはかなり距離があるので、立ち寄るのは車で移動できる場合に限られます。

店内では、従来の「TSUTAYA」と同様に書籍販売やCD・DVDなどのディスクレンタルのほか、雑貨やアパレル、食品なども販売。

見ているだけで楽しくワクワクするブースがたくさんあるので、何時間でも居続けてしまいそうな魅力があります。

函館市内や近郊の人気ショップがポップアップで出店しているので、お土産の購入やドライブの休憩にもちょうどいい寄り道ポイントに。

観光を始める前に、ここでガイドブックを購入して事前準備をしても良いかもしれませんね!

魅力がいっぱいの「函館市」へ行ってみよう

今回ご紹介したスポット以外にも、函館にはたくさんの見どころがあります。

今回は観光スポットを中心にご紹介しましたが、おすすめのグルメ情報はまた別の記事で詳しくご紹介したいと思います。

四季それぞれに違う景色が楽しめる、北海道開拓の歴史を感じられる港町「函館」へ、みなさんも足を運んでみてくださいね!

Eriko Misawa

  • ISE 2022/2/11追加