札幌のご当地グルメとされるスープカレー、今回はその歴史を遡ってみましょう。札幌にスープカレーの“原型”が誕生したのは1970年代初頭。その後、原型をアレンジした店が登場し1990年代にはいよいよ「スープカレー」と命名、2000年代に入り何度かのブームを経て現在に至っています。そんな札幌スープカレーの歴史に触れることができる発祥店や老舗店を創業順にご紹介していきます!

「アジャンタインドカリ店」こそが“源流”

札幌のご当地グルメ「スープカレー」の源流を遡れば辿り着く、その店こそが「アジャンタインドカリ店」です。喫茶店から始まり1970年代初期には漢方薬やスパイスを使った薬膳カレー”ともいうべきスープカレーの“原型”を提供し始めていました。その後の変遷の中で札幌に登場した「スープカレー」に多くの影響を与えたことにより、この店が札幌スープカレーの“源流”であり発祥であることはほぼ定説となっています(次項「アジャンタ総本家」も参照ください)。現在は札幌市中央区の南部に店を構え、伝統のスープカレーを提供し続けています。しかしこの店には「スープカレー」というメニューはありません。札幌で「スープカレー」という名称が使われるようになったのは、この店が“薬膳カレー”を提供し始めてから20年ほど後のことだからです。

“原型”の「とりカリ」

ベーシックメニューは「とりカリ」1,200円税込、手書き表記で「とり」とも)。そのスープには漢方を含む45種類のスパイスを使います。表面にはオイルが浮かんで濃厚そうに見えますが、口に含めば意外にスッキリ

スッキリながら深みある「スープ」

最初に(薬膳の)ハーブっぽい香りがあり、その後に甘みと旨みを感じてからスパイスの辛さが追いかけてくる、そんな味わいです。具はチキンレッグが2本に大きめにカットされたピーマンとニンジン。チキンはスプーンで簡単にほぐせるほど柔らかく煮込まれており、余計な味付けをせずスープとの組み合わせだけでいただきます。

柔らかく煮込まれた「チキン」をオンライス!

ピーマンとニンジンはしっかり歯ごたえを残し、カレーの合間によく合う食感です。スープの辛さは固定で卓上に置かれた「マサラスパイス」で調整します。ここ「アジャンタインドカリ店」のカレーは、豊富なトッピングに無限ともいえる辛さを設定できる最近のスープカレーとは全くの別物ですが、その“原型”としてシンプルながら深みのある味わいを体験できることでしょう。

アジャンタインドカリ店

営業時間 :11:3015:00
定休日  :月曜日・金曜日
電話番号 :011-301-6070
席数   :14
駐車場  :有(店前34台)
喫煙   :全席禁煙
支払い方法:現金
空間・設備:カウンター席あり
カテゴリー:お手頃・カレー店
感染予防 :マスク着用、手指消毒、換気、多数の人が触れる箇所の消毒、備品/卓上設置物の消毒、席数減
宅配   :不可
テイクアウト :可
イートイン:可
アクセス :札幌市電石山通停留所 徒歩15分、地下鉄南北線澄川駅 徒歩20
住所   :札幌市中央区南29条西10丁目6-5 Googleマップ
予約&クーポンを確認⇒/食べログ/HotPepper

ここも元祖!“薬膳カリィ”「アジャンタ総本家」

1970年代に独自の“薬膳カリィ”を開発した喫茶店の主人が、1975年新たに看板を揚げた店が「薬膳カリィ本舗アジャンタ」です。その後、お弟子さんが店を継ぎ現在の「アジャンタ総本家」となっています(喫茶店は「アジャンタインドカリ店」として創業者の元奥様が継承)。開発した“薬膳カリィ”30種類のスパイスと15種類の漢方薬を使い、毎朝6時間かけて作るスープがベースとなっています。

人気No.1の「とりかりぃ」

人気No.1「とりかりい」1,000円税込)、薬膳カリィのオリジナルスタイルです。具は骨付きチキンが2本にピーマンとニンジン。これぞ“原型”といえるもの。薬膳の香りに深みのある旨み、そしてスパイスの刺激を感じるスープで味わいます。

薬膳+スパイスの「スープ」

辛さは基本固定で、調整は卓上に備えられた「マサラ」(スパイス)で調整します(注文時の調整依頼も可能です)。その他のカレーは「野菜かりい」(1,300円)や「とり」と「野菜」の組み合わせに「らむ(ラム肉)」を使ったものがあるだけというシンプルなメニュー構成です。

ほろり崩れる「チキンレッグ」

トッピングは豊富とはいえないものの50円の「らっきょ(5個)」から350円の「チキンレッグ」まで12種類が用意されています。「アジャンタ総本家」の場所は地下鉄東豊線元町駅から徒歩で10分ほど。ともに中心部からは少し離れますが、その源を一にする「アジャンタインドカリ店」との食べ比べもぜひおすすめします。(以上の情報等は公式HPを参考にしています。店の歴史やこだわりが詳細に説明されています)

薬膳カリィ本舗 アジャンタ総本家

営業時間 :11:0015:00(売り切れ終了)17:00〜売り切れ終了
定休日  :月曜日
電話番号 :011-784-8910
席数   :24
駐車場  :有(10台)
喫煙   :全席禁煙
支払い方法:カード可(VISAMasterJCBAMEXDiners
空間・設備:カウンター席あり
カテゴリー:お手頃・スープ店
感染予防 :マスク着用、手指消毒、換気、多数の人が触れる箇所の消毒、備品/卓上設置物の消毒
宅配   :不可
テイクアウト :可
イートイン:可
アクセス :地下鉄東豊線元町駅 徒歩10
住所   :札幌市東区北23条東20丁目2-18 Googleマップ
予約&クーポンを確認⇒公式サイト/食べログ/HotPepper

“元祖”に続く老舗の「こうひいはうす」

札幌スープカレーの元祖、「アジャンタ」2軒に続く老舗としては「こうひいはうすがあります。目の前には札幌市電が走り(最寄りは「ロープウェイ停留所」)、店の看板にも「電車通りのスープカリー」と大きく書かれています。そこには「昭和52年創業」ともあり西暦では1977年、元祖とされる「アジャンタ」に匹敵する老舗であることがわかります。

きれいに澄んだ「スープ」

店自慢のスープは鶏ガラと野菜を18時間も煮込み、昆布や鰹節などで「和」の旨味を加えたもの、見た目もきれいに澄んでいます。メニューに“当店おすすめメニュー”とあるのは「チキンカレー」800円、以下全て税込)。

店のおすすめ「チキンカレー」

スプーンでほぐれるほど柔らかく煮込まれたチキンと旨みの出たスープの組み合わせは、控えめながら薬膳系の風味も相まって “スープカレーの原型”をここにも見ることができます。元喫茶店であった「アジャンタ」からも何らか直接的な影響を受けているのかもしれません。違いはトッピングがユニークなこと。スープカレー店には珍しく「カツ」系や「寄せ豆腐」などもあります。

スープによく合う「ターメリックライス」

そして店名からもわかるように珈琲豆を販売するほどの店、「自家焙煎のコーヒー」も味わう価値ありです!ぜひ「セット」(+300円でサラダ・ドリンク付き)にしてそのコーヒーを体験してみてださい。

こうひいはうす

営業時間 :11:3021:00L.O20:30
      水曜日11:3015:00L.O 14:30
定休日  :不定休
電話番号 :011-561-9155
席数   :20
駐車場  :有り(店前2台、指定駐車場有り)
喫煙   :全席禁煙
支払い方法:現金
空間・設備:カウンター席あり
カテゴリー:安価・カレー店
感染予防 :マスク着用、手指消毒、換気、多数の人が触れる箇所の消毒、備品/卓上設置物の消毒、時短営業
宅配   :不可
テイクアウト :可
イートイン:可
アクセス :札幌市電「ロープウェイ停留所」 徒歩2
住所   :札幌市中央区南20条西15丁目3 伏見コーポ1F Googleマップ
予約&クーポンを確認⇒公式サイト/食べログ/HotPepper

「ポレポレ」のスープカレーは“スリランカ”

札幌白石区の地下鉄東西線南郷13丁目と18丁目の間くらい、東北通沿いにログハウスの建物があります。札幌スープカレーの老舗「ポレポレ」です。創業は1978年(昭和53年)、当時は先にご紹介した店(アジャンタ・こうひいはうす)くらいしかスープカレー(タイプ)の店がない時代でした。(公式HPより) 当時はまだ「スープカレー」という名称自体がありませんでした

看板の「スリランカカレー」

「ポレポレ」のカレーは(公式HPによれば)「油ひかえめ、和風ダシがベースのスープにスパイスがじっくりと染みわたります」とあります。具はチキンレッグに野菜というオーソドックスな組み合わせ。このカレーを(スープカレーという名称の無い時代だったため)「スリランカ」と命名したもので、スリランカの現地食とは無関係のようです。

和風だしベースの「スープ」

「スリランカカレー」(現在1,230円税込)には別小皿で温泉玉子とヨーグルト、ライスにはレモンとマンゴーのピクルスが添えられます。

ライスには「レモンとマンゴーピクルス(右端)」

トッピングには珍しく数種類のフライ(白身魚・イカ・エビ・カキ)があり、辛さは0番から300番まで5番刻みで選べます。メニューには「中辛 10番、辛口30番」等ありますが、辛さはやや控えめなので、辛みが苦手でなければ30番以上がおすすめかもしれません。「ポレポレ」の開店は朝の10時半なので、週末のブランチなどにゆっくり老舗のスープカレーを味わってみてはいかがでしょうか?

ポレポレ

営業時間 :10:3017:00(当面時短営業)
定休日  :水・木曜日
電話番号 :011-851-0086
席数   :32
駐車場  :有(3台)
喫煙   :全席禁煙
支払い方法:現金
空間・設備:落ち着いた空間、ライブ・生演奏あり
カテゴリー:お手頃・カレー店
感染予防 :マスク着用、手指消毒、換気、多数の人が触れる箇所の消毒、備品/卓上設置物の消毒、時短営業
宅配   :不可
テイクアウト :可
イートイン:可
アクセス :地下鉄東西線南郷18丁目駅 1番出口 徒歩10
住所   :札幌市白石区栄通17丁目1-26 Googleマップ
予約&クーポンを確認⇒公式サイト/食べログ/HotPepper

“スープカレー”の名付け親「マジックスパイス」

今でこそ札幌のご当地グルメとなっている「スープカレー」ですが、この名称を初めて自らのカレーに命名した店が「マジックスパイス」であることは今では広く知られています。創業は1993年(平成5年)。先に紹介した老舗系ほどではないにしても30年近い歴史を誇っています。場所は地下鉄東西線南郷7丁目(大通駅から10分)から徒歩5分ほど。札幌中心部ではありませんがアクセスに不便はありません。この店はカレーの前にその“演出”に度肝を抜かれます。まずは中通りに突如出現する謎の建物、一見遊園地の“魔法の館”を思わせるような外観です。ドアを開けてみれば、靴を脱いであがる玄関があり意表を突かれます。店内も壁など赤をベースにし、きらびやかな装飾物や雑貨類が配されている摩訶不思議な空間になっています。

カウンター前に貼られた「メニュー」

着席すればテーブルやカウンターの壁にはメニューが貼られており、早速注文となりますが初めての場合は少し戸惑うかもしれません。基本はまずは「カレー」を選び、次に「辛さ」を選びます。さらに「トッピング」を追加して注文が完了となりますが、そのメニューは豊富かつ複雑で、ここで全ては紹介しきれません。

おすすめの基本カレー「北恵道」(チキン+道産野菜)

基本のカレー14種類スープは「チキンベース」か「トマトベース」辛さは「覚醒」から「虚空」までという独特の表現で指定します。そしてトッピングは、ざっと眺めても40種類以上!という豊富さです。訪問前に公式HPで確認しておくことをおすすめします!この店のスープカレーで特徴的なのが「野菜」

細かくカットされた「野菜」

一般的なスープカレーに多い“ゴロン”と丸ごとに近い形で入っているのではなく、たっぷりの野菜を細かくカットして入れてくれます。「医食同源」を永遠のテーマとし、体に良い食べ物を追求しています。そして堂々と「元祖」を名乗るスープカレー、体験せずにはいられない不思議な魅力にあふれています!

マジックスパイス

営業時間 :11:0015:0017:0022:00(土日祝は通し営業)
定休日  :水・木曜日
電話番号 :011-864-8800
席数   :108
駐車場  :有(店前・第2駐車場もあり)
喫煙   :全席禁煙
支払い方法:カード可(VISAMasterJCBDiners
空間・設備:オシャレな空間、落ち着いた空感、席が広い、カップルシートあり、カウンター席あり、ソファー席あり、オープンテラスあり
カテゴリー:お手頃・カレー店
感染予防 :マスク着用、手指消毒、換気、多数の人が触れる箇所の消毒、備品/卓上設置物の消毒、アクリル板設置、時短営業
宅配   :可
テイクアウト :可
イートイン:可
アクセス :地下鉄東西線南郷7丁目駅 3番出口 徒歩5
住所   :札幌市白石区本郷通8丁目南6-2 Googleマップ
予約&クーポンを確認⇒公式サイト/食べログ/HotPepper

まとめ

札幌のご当地グルメである「スープカレー」の歴史を遡り、外すことのできない店をご紹介しました。札幌スープカレーの源流店(現在は2系列)に、匹敵する老舗の2軒、そして「スープカレー」を命名した店という5です。札幌のスープカレーに少しでも興味ある方なら、どの店も一度は訪問する価値があります!全店制覇をしたなら、札幌のスープカレーを極めるパスポートを手にしたも同然!といえるでしょう。

ルッチ編集部